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2024.01.21

寺 子 屋 長 / えびさわ けいこさん サロン小石川 代表 / 熊谷 京子さん

90号:会いたい!湯島本郷まちの人

子どもたちの学習支援を行う「寺子屋」の活動について寺子屋長を務めるえびさわけいこさんにお話を伺いました。 (写真正面・左:えびさわ けいこさん、写真正面・右:熊谷 京子さん)

個別の学習支援と体験学習ができる
放課後の居場所「寺子屋」を通じて
子どもたちの健全育成に取り組みます。

寺子屋について教えてください。

 子どもたちの放課後の居場所を作るため、2023年8月から活動を開始しました。子供の数が増えている文京区では、普通教室が足りない現象が起きています。一方で、文京区内の小学生は2人に1人が私立中学校に進学し、中には中学受験率が7割を超える小学校もある状況です。しかし、全員が受験をするわけではありません。クラスメイトの多くが進学塾に通うなか、進学塾には行かないけれど、ちょっと苦手と感じている勉強を楽しみながら好きになれるよう、また、子供たちの個性を尊重し、得意なことをどんどん伸ばしていくお手伝いとして始めたのが「寺子屋」です。
 まさに「寺子屋」という名前の通り、春日にある寛永元年(1624年)創建のお寺・多福院の本堂をお借りして、水曜・土曜に活動しています。12月からは、本郷にある老舗の旧旅館・鳳明館の森川別館でも土曜日に寺子屋の活動を開始しました。最近では学年の違う子が集れる場所は少なくなりましたが、全学年が対象の寺子屋では、いろいろな学校のさまざまな学年の子どもたちが同じ空間で学び、異学年間のコミュニケーションを楽しんでいます。

どんな活動をしているのですか?

 寺子屋の授業は2本立てです。現役の大学生等による個別指導で、宿題のお手伝いなどをする「学習支援」が1時間。それからオヤツを食べながら、地域の大人たちが講師になる「体験学習」を30分程度行っています。12月には湯島本郷百景のイラスト担当・上野画伯によるイラスト演習や、湯島本郷マーチング通信の発行元の編集長・利根川さんが子供たち向けに文京区にまつわる歴史の授業をしてくださり、とても好評でした。勉強だけではなく、体験学習を開催することで、子供たちの世界を少しでも広げるお手伝いができたらいいな、と思っています。
 子どもたちと接していると、今の時代と私の子ども時代とでは、環境が大きく変化していることを実感します。例えば、夏に花火大会を企画したんですが、小学生はもちろん、講師の大学生も花火をしたことのない子が大勢いることに驚きました。すいか割りを企画したときは、丸い大きなすいかを見たことがない子もいましたね。その一方で、自分の興味のある分野では大人顔負けの知識を披露してくれる子もいます。子どもたちの活き活きとした表情を通じて、学校やお家以外の居場所があること、さまざまな体験の機会があることは、子どもの成長過程にとても大切なことなんだと確信しています。

個別に大学生に教えて貰うと、何処か勉強中ニコニコ!

イラストで文京区の歴史を伝えます

初めて線香花火に触る子もワクワク

これからの抱負とメッセージを

 みなさん、ぜひ一度、見学にいらしてください。体験学習の時間は、熊谷代表や私とつながりがあり、寺子屋のコンセプトに賛同してくださる多方面で活動されている方々や、学生たち自らが考えた企画でイベントを実施しています。授業料だけでは賄いきれない運営費は地域企業や有志の皆様から協賛していただいています。
 この活動はひとりの力では継続できません。さまざまな形でいろいろな方にご支援をいただいています。先日も、学生が企画したイベントで「けん玉」が必要になり、寄付を呼び掛けたところ、有難いことに必要な数の2倍以上の「けん玉」があっという間に集まりました。皆さんに寺子屋の活動をもっと知っていただき、お家で眠っている文房具のご寄付や体験学習の講師など、いろいろな形での関りを通じてお力を貸していただけると嬉しいです。
 また、最近の私は文京区議長時代のネットワークを活かして、23区内の特徴的な取り組みを視察させていただいてます。そこで得た知見もこれからの寺子屋の活動に活かし、文京区の子ども達を23区で一番元気にしていきたいと思っています。

お申し込みは専用ページまで
https://npo-ooedo.org/

サロン小石川
〒112-0003
東京都文京区一丁目9番27-302号
salon.koishikaw.at@gmail.com

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