2026.07.18
105号:紗都ちゃんの寺小屋ばなし
講安寺住職、両門町会町会長 池田紗都さん
ヒト、ホモサピエンス、ヒューマン、現身(うつせみ)、人間を表す言葉はいくつかあります。「人間」は仏教では六道の一つである「人間界」をいい、人々の住むべき世間をいいます。私たちの住むこの世界も、六道輪廻の世界の一つです。「間」は、あれとこれの間をいい、人間は天地の間の一区界をさすわけですが、今ではたんにヒト、あるいは人類と同じ意味に使われています。人は、人と人の間において初めて「人間」となりえる、と聞いたことがあります。生まれて赤ん坊のままなんとか生き抜くことができても、自分ただ一人だけで成長したその者を、「人間」と呼べるのでしょうか。生物学的にヒト科のヒトとは言えるかもしれませんが、相手がいてこそ学びがあり、助け合いがあり、愛情がうまれ、悩み、成長していくものです。ですから、「ヒト」から「人間」になりましょう。人は、人と人との間において人間となり、人間としての幸福に出遭うのだと思います。さて、大きいテーマでもありますね、人間とはなんぞや。ここではいくつかご紹介し、お読みいただいているお一人お一人のお考えに委ねさせていただきます。
●人間は努力をする限り迷うものだ(ゲーテ)
●人間に生る事大なるよろこびなり(恵心僧都)
●人間は、他に人間がいて初めて人間であり得る(吉田健一)
●人間は自分の力も自分で試してみないうちは分からぬものに候(夏目漱石)
●人間は朝から晩まで仮面を被って居る。ただ飯を食う時だけは仮面をとる(夏目漱石)
●言葉のいらぬ世界が仏の世界、言葉の必要なのが人間界、言葉の通用しないのが地獄(曽我量深)
●人間だけが赤面できる動物である。あるいはそうする必要のある動物である(マーク・トウェーン)
●満男「人間は何のために生きているのかな」寅次郎「何て言うかな、ほら、あ~生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるだろう、そのために人間生きてんじゃねえのか」