まちの人 alt

2025.01.18

湯島天満宮 宮司 押見 友仁さん

96号:会いたい!湯島本郷まちの人

ユニークな経歴を持つ、湯島天満宮の若き宮司が語る歴史と未来

神社の伝統を守りながら
地域と共に新しい取り組みを考え
心の拠り所として役割を果たして参ります。

湯島天満宮の歴史を教えてください。

湯島天満宮は458年、第21代雄略天皇の勅命により創建され、天之手力雄命を奉斎したのが始まりです。その後、 1355年に菅原道真公(天神様)をお祀りするようになりました。令和10年で創建1570年を迎えます。この長い歴史を守り、未来へ繋げることが私たちの使命だと考えています。

宮司のお仕事と年間行事について。

宮司は、神社を代表する神職として祭禮や日々の業務を統括しています。 会社で例えると社長のような役割を担います。
当宮では、毎月1日、15日、25日の月次祭をはじめ、5月の例大祭、2月の梅まつりや11月の菊まつりなどたくさんの行事が行われます。 お正月の準備は例年7月から取りかかります。1年を通して多くの方にお詣りいただき、本当に有り難く思います。

宮司になるまでの道のり。

地元の湯島小学校、第四中学校を卒業後、高校、大学に進学しました。幼い頃から境内で遊び、神職として働く父の姿を見て育ち、祭祀のある生活が当たり前のものでした。幼い頃は憧れもあり、神職になりたいと思っていた時もありましたが、大きくなるにつれあまり考えなくなったように思います。しかし「資格だけは取っておけ」との父の勧めもあり、大学卒業後に國學院大學に入り、神職の資格を取得しました。その後は一般企業に就職します。
ホテルでは10年の間に宴会サービス、 法人営業、ウェディングプランナーとして働きました。プロ野球チームが優勝した折のビールかけでは、ホテルスタッフの私たちもビショビショになり大変でしたが、今となっては貴重で楽しい体験でした。
ホテルでの経験を活かし、ゼネコンが運営する海外のホテル運営や立ち上げにも関わりました。ベトナム、ソロモン諸島など、異文化の中での挑戦は視野を広げるきっかけになりました。
学生時代には夢の国でアルバイトをしていました。人見知りで、人前で話すのが苦手でしたが、歌ったり踊ったり、ゲストを案内したりする中で人を喜ばせ笑顔にする楽しさを学び、人見知りを克服しました。この経験は今とても役立っていると思います。
本格的に神職として働き始めたのは、 平成28年からです。これまでは何も考えず参加していた地元の行事に神職として携わるようになり、1つの行事を行うためにはどれだけの準備や協力が必要か強く実感しました。昨年8月に宮司を拝命し、今年が宮司として迎える初めてのお正月になります。緊張しますが、誠心誠意努めたいと思います。

宮司の仕事は神さまへのご挨拶から始まり多岐にわたる

趣味のキャニオニングを楽しむ

湯島天満宮「例大祭」での馬に乗る

地域との繋がりと未来への展望。

当宮の梅まつりや菊まつりは氏子の皆様が中心となって実行委員会を作り、新しい企画を考えたり、様々なチャリティブースを設けるなど精力的に活動してくださいます。また、菊や書道の作品を地元の小中学生が出展してくれるなど、地域全体で協力して、生まれ育った地元「湯島」を盛り上げています。
湯島に生まれて良かった、何かあったら湯島に帰ろう、さらには湯島に住み続けたいとたくさんの方々に思っていただけるよう、居心地の良い地域となる一端を担える神社でありたいと思います。 近年はキャッシュレス化の波が寺社仏閣にも押し寄せています。私は物事の本来の意味を大切にしながら、刻一刻と変わる時代の流れの中にいかに融合していけるかということが今後の課題になってくると考えております。
まだまだ未熟ではありますが、地域の皆様と共により良い神社の在り方を模索しつつ、神社が皆様の心の拠り所となれるよう、日々心を込めて神明奉仕に精進を重ねて参りたいと存じます。

湯島天満宮
03-3836-0753
113-0034 東京都文京区湯島3-30-1
http://www.yushimatenjin.or.jp
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