まちの人 alt

2020.05.17

東京消防庁 本郷消防署長 平本 隆司さん

68号:会いたい!湯島本郷まちの人

東側に火の見櫓のある建屋が印象的な本郷消防署。140年という都内でも有数の歴史を持つこの署で現在指揮を執られるのは、昨年9月に赴任された平本署長です。今回は署長さんに、日々のお仕事、そして私たちが知っておくべき、備えておくべき情報を教えていただきました。

湯島本郷地域には地元の皆さんの人的な結びつきによる防災力があると思います

消防署の主な活動を教えてください。

 消防署の業務は、主に「警防」と「予防」です。「警防」は、赤い消防車で火を消す消防や救助、白い救急車でケガ人や急病人を病院に搬送する救急という、皆さんもご存知の活動ですね。消防署員は日々訓練し、24時間365日、災害に備えています。もうひとつの「予防」は、消防や救急が必要となる前に、燃えにくい、災害に強い街をつくることを目的に、建物にスプリンクラーや火災警報器などの消防用設備が正しく設置されているか検査したり、その維持管理を指導する活動です。

その中で署長さんのお仕事とは?

 本郷消防署には、現在160名の署員が勤務していて、本郷消防署、駒込出張所、根津出張所と3カ所拠点があります。その署員全員が迅速に活動できるように指揮すること、地域住民の皆さんと一体となって安全な街づくりができるように全体を運営することが署長の役割です。大火事や大地震などの大災害が発生してしまった時には、対策本部を設けて陣頭指揮を執ったり、災害現場に急行して現場で指揮を執ることもあります。今日も朝4時に管内で発生した火災現場に臨場しました。また、現在大変な事態となっている新型コロナウイルスに関しても、署員の衛生指導はもちろん、消防は必ずチームで動きますから、万が一感染者が出た場合の危機管理として体制のシミュレーションも行っています。

今行くぞ!

3つのお願い

東京消防庁 本郷消防署

街の皆さんにお伝えしたいこと

皆さんにお願いがあるそうですね。

 そうなんです。本郷消防署から、地域の皆様にお願いが3つあります。
 ひとつ目は、「救急車の適正利用」です。東京の救急車利用件数は昨年、過去最高の約82万5千件を記録しました。必要だと思った時には躊躇なく119番で救急車を呼んでいただきたいのですが、救急車を呼ぶべきか?と迷われる場合は、#7119番で「救急相談センター」を利用してください。相談員が緊急性を判断し、必要な場合はそのまま救急車を要請し、緊急でない場合は医療機関や応急手当てのアドバイスなどを案内します。救急車には限りがありますので、本当に必要な方に救急車をご利用いただくためにも、救急車を呼ぶか迷った時には「#7119」と、ぜひ覚えてください。
 2つ目は、「住宅用火災警報器(住警器)の確認」のお願いです。2006年に、一般住宅も住警器設置が法律で義務付けられました。火災が起きた時に、初期段階で知らせてくれることで被害の軽減に大きな役割を果たしているこの住警器ですが、10年で電池も機器も寿命を迎えるものが多いんです。この法律ができて10年以上経ちますので、各ご家庭で電池切れが発生しているタイミングです。ぜひ皆さんにもご自宅の住警器を確認していただきたいと思います。
 3つ目は、「消防団への加入」のお願いです。消防団は、地域住民と勤務・通学者の皆さんで組織されている団体で、18歳以上の健康な方はどなたでも加入できます。消防署と密接に連携して災害時の対応や地域の防災訓練指導などの活動をしていただいています。例えば今後、地震などの大災害が発生した場合、地域を守る消防の力がどうしても足りなくなることが予想されますので、消防団にもその役割が期待されています。ご家族、地域を守るために、消防署とともに活動してくださる方を募集していますので、ぜひ加入をご検討ください。

街の皆さんに一言お願いします。

 本郷地区は飛び切りの歴史を感じる街であり、地元愛も強い素晴らしい街です。安全な街は地域全体でつくる。消防署はそのお手伝いをさせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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