2023.11.19
89号:癒しを届ける「サロン」のお話し
サロンの名前「Mani di Fata」はお客様につけていただきました。イタリア語の直訳では、「手の妖精」という意味ですが、慣用句では「職人の手仕事」といったニュアンスで使われる言葉です。
以前は、銀座や神楽坂でセレブなマダム向けエステのお仕事をしていたのですが、今の若い女性たちは、身体や精神面の健康に関する知識に乏しいことがわかり、危機感を覚えたんです。だからもっと幅広い年齢層の方に来ていただけるように、エステというよりも、リラクゼーションを重視したサロンに方向転換しました。
今の私たちは、西洋医学の価値観の中で生活していますが、東洋医学では陰陽の調和を大切にする考え方をします。サロンのコンセプトである「和合癒学」の考え方をお伝えしながら、ご自身の体の仕組みを理解していただき、深いところでのリセットがかなうお手伝いができるように心掛けています。
おすすめは「ドライヘッドリリース」 です。本当の意味でリラックス状態になれるので、ほとんどの方はすぐ寝てしまいます。
自律神経には、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス状態で優位になる「副交感神経」があり、状況に応じて交互に働いています。だけど刺激が多いストレス社会では、交感神経が働きすぎて過緊張による不調を訴える方が増えてきました。寝ながらスマホを見る人も多く、脳は常に刺激にさらされてます。本当の意味でリラックスすることが難しくなってるのです。
解剖学的には、頭部と顔を触ると、 副交感神経にスイッチが入りやすくなります。体の中は一枚の筋膜でつながっています。頭部のマッサージをすることで、背中や肩のこわばりも解消されて、相乗効果も期待できるメニューです。
待ち合い室は広くてお洒落な空間
広く落ち着きのある施術室
美しさを引き出す丁寧な施術が評判
お客様の体を触る前に、まずは自分自身を整えるように心がけています。 施術をする私の肩に力が入っていると、相手のコンディションを感じ取れなくなるんです。いかに肩の力を抜いて「無」の状態を保つか。そのためには、足裏を地につけて、下半身の重心を意識した姿勢が重要です。
実は趣味で古武術をやっているのですが、姿勢を含め、仕事の上で大切にしていることとリンクしていることが多いですね。古武術の稽古を通じて、陰陽の思想と相手との調和を学んでいます。
足裏は姿勢の制御や体の循環を司っているので「足裏を地につける感覚」を養うことはとても大切。だけど、靴を履く生活をするようになり、足裏に神経が行き届かなくなりました。それから、かかとをつけてしゃがめない女性もすごく増えています。生活の洋風化で下半身の筋肉を使うことが少なくなっていますが、妊娠・出産を担う女性の体にとって、屈曲の姿勢はとても重要だと思っています。
女性の体は複雑です。ご自身の体に関する知識が少ないのに、すぐに薬に頼る風潮にも危機感を持っています。 情報に振り回されて不調に苦しんでいる方に、人体の自然な状態や、体の仕組みといった本質的なことをお伝えしていきたいですね。体のケアの仕方は年齢によって変わってくるので、年代ごとの「性教育」や、セラピストの育成にも取り組んでいきたいです。
湯島の街は「カオス」な印象がありますね。古い歴史に裏打ちされた文化的なところと、非常に大衆的なところが、街の中にモザイク状に同居しています。そういうところがこの街の面白さだと思います。
ネットには美容や健康に関する情報が、洪水のようにあふれています。それを頭だけで処理せず、心や体の声にもっと耳を傾けてほしいですね。また、最近は「自分の好きなことだけやればOK」という風潮もありますが、コンフォートゾーンからあえて抜けだすことも脳の可能性を広げるという意味では大事なこと。情報に惑わされず、ご自身の個性や感性を大切にしてほしいと思っています。
トータルケアサロン ManidiFata【マーニディファータ】
東京都文京区湯島3-37-2
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