まちの人 alt

2023.11.19

アウグスビール株式会社 代表取締役 坂本 健二さん

89号:会いたい!湯島本郷まちの人

原料や製法にこだわり抜いた「アウグスビール」をご存知ですか?本物の味を追求する坂本健二社長のインタビューを前後編で掲載します。

美味しいビールをもっと身近に
こだわりの製法と深い味わいが魅力の
湯島生まれの本格クラフトビール(前編)

アウグスビールのコンセプトは?

 普通のビールと旨いビールには明確な違いがあります。一番おいしいのは「どぶ」と呼ばれる、醸造したタンクから直接注がれるビールです。それは酵母が生きているから。大手メーカーのビールは、輸送中に液温が上がり、樽・瓶・缶の中で二次発酵しないよう出荷前に酵母を濾過して工業用の炭酸を加えているんです。
 だけどアウグスビールは違います。選び抜かれた高品質の材料を惜しみなく使った、食事と一緒に楽しめるビールです。その特徴は「酵母」を活かした醸造方法。一度も常温にならない方法で提供するから、二次発酵することもありません。30日以上の熟成の過程を経ることで、生きた酵母がまろやかな泡を作るので、お腹の張らない、深い味わいビールになるのです。

創業のきっかけは何ですか?

  起業は2004年8月です。元はキリンビールの社員だった僕は、1981年に社内留学制度を利用して渡米。MBAを取得した後、アメリカでキリンビールを販売する仕事を担当しました。ところが、当時のアメリカは、軽いのど越しのビールをさらに氷で割って飲む文化でした。ボディがしっかりしていて苦味のある日本のビールは売れなかったんです。
 どうすればアメリカ人にも飲んでもらえるかと考えた僕は、アメリカで寿司屋を開業したい日本人を支援することで寿司屋を増やしていき、その店にキリンビールを卸していったのです。その結果、アメリカに寿司ブームが起きました(笑)。
 帰国してからは、日本でバドワイザーを売る仕事をしました。バドワイザーは軽いので、当時は「学生の飲み物」という位置付け。そこで「バドガール」を企画したんです。当時の世相もあり、ボディコンを着たバドガールは大人気に。ビーチでもスキー場でもゴルフ場でも、どこでもバドガールがいるような大ブームが起きました。
 そうやって「売れないビールをどうやって売るか」について考え、アメリカでも日本でも結果を出せたのですが、よく考えたら「うまい」と言われるビールを売ったことがなかった。その思いから手掛けたのが、大手メーカーでは作ることのできない、本質を追求するアウグスビールというわけです。
 創業から20年を経た今、舌の肥えた人の行く先々にアウグスビールが置いてある状態になりました。そういったお店は専門性があって、食にこだわりを持つお客さんが集まり、次々にミシュランガイドの星を取っています。

アウグスビール発酵タンク

バドワイザージャパン時代

谷根千の「谷中ビアホール」

湯島で創業した理由は?

 僕自身は世田谷育ちですが、お世話になっている方が合羽橋で事業をされていたんです。その方に連れられて、浅草や上野・御徒町界隈に来るようになりました。僕は神社も好きなので、湯島天神や、神田明神も湯島聖堂もあるこのエリアの風情が気に入ってます。飲食店のレベルも高く、人も優しい街だから、 独立するときはこの辺りがいいなあ、と思ったんです。
 湯島本郷にもアウグスビールが飲めるお店があります。谷根千にはアンテナレストラン「谷中ビアホール」もあります。本物を追求したアウグスビールの味をぜひ体験してほしいと思います。

編集部より:後編の次号では今後の抱負やマイクロブルワリーによる地方創生についてお届けします
※後編の発行掲載はマーチング通信91号3月17日(日)の発行予定です。お楽しみにお持ちください

アウグスビール株式会社
〒113-0034
東京都文京区湯島2-27-4-101
https://augustbeer.com/

アウグスビール取扱い店
https://augustbeer.com/shoplist

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